「老犬が歩けない」「後ろ足を引きずる」「びっこをひく」「犬のヘルニアや膝蓋骨脱臼(パテラ)が心配」——こうした症状は年齢や体質だけでなく、病気やケガが隠れているサインです。放置すると歩けなくなるだけでなく、生活の質が大きく低下してしまいます。
本記事では、調布市周辺で飼い主が特に注意すべき歩行トラブルの原因ベスト10と自宅でできるサポート方法を解説します。さらに、早めに受診すべき危険なサインや、相談できる動物病院・リハビリ施設についても紹介します。
初めましてわんこのお手当てラボの鈴木 直です。
犬の健康を守るために、今すぐチェックが重要です。
老犬が歩けないのはなぜ?年齢による筋力低下と関節の衰え
老犬が歩けなくなる大きな要因のひとつは、年齢に伴う筋力低下と関節の衰えです。特に後ろ足の筋肉は体重を支えるために負担が大きく、加齢によって筋肉量が減ると立ち上がりにくくなったり、歩行が不安定になったりします。
同時に、関節の軟骨がすり減ることで炎症や痛みが生じ、犬自身が歩くことを避けるようになります。その結果さらに筋力が落ち、歩けない状態へと進行しやすくなります。
散歩中に歩幅が小さくなる、段差を嫌がる、立ち上がりに時間がかかるといった行動は、筋力低下や関節の衰えを示すサインです。こうした変化に早めに気づくことが、歩行を支えるための第一歩となります。
老犬が歩けないのはなぜ?年齢による筋力低下と関節の衰え
犬の椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板が変性して神経を圧迫する病気です。特にダックスフンドやコーギーなどの胴長短足犬種に多く見られます。
神経が圧迫されることで、後ろ足の力が入らなくなったり、びっこをひいたり、後ろ足を引きずるような歩き方になります。重度になると立ち上がれなくなり、排尿や排便が難しくなる場合もあります。
歩行に異常が出たときに早期に気づき、動物病院で診断を受けることが大切です。症状の程度によっては安静や内科的治療で改善することもありますが、進行している場合は手術が必要になることもあります。
犬のヘルニア(椎間板ヘルニア)が歩行に与える影響
犬の椎間板ヘルニアは、背骨のクッションである椎間板が変性して飛び出し、脊髄神経を圧迫する病気です。特にダックスフンド、コーギー、シーズーなど胴長短足の犬種に多く見られますが、老犬では全犬種でリスクがあります。
神経が圧迫されると、後ろ足に力が入らなくなり、歩き方に異常が出ます。初期には「後ろ足を時々引きずる」「段差を嫌がる」「ふらつきが出る」といった症状が現れます。進行するとびっこをひいたり、完全に立てなくなったりすることもあります。さらに重度になると、排尿や排便のコントロールができなくなるケースもあります。
飼い主が早期に気づくことが重要です。歩行中に後ろ足の反応が遅い、腰を触ると嫌がる、歩幅が不自然に揃っているといったサインがあれば、すぐに動物病院で検査を受けるべきです。
治療法は症状の程度によって異なります。軽度であれば安静・投薬・リハビリによって改善が期待できますが、中度〜重度では外科手術が必要になることがあります。手術後はリハビリをしないと筋力が落ち、再び歩けなくなるリスクがあるため、術後のケアも欠かせません。
青梅市でも椎間板ヘルニアに対応できる動物病院があり、理学療法や歩行補助のアドバイスを受けられます。早期に相談することで、犬が再び自分の足で歩ける可能性を高めることができます。
膝蓋骨脱臼(パテラ)による後ろ足のびっこ・引きずり症状
膝蓋骨脱臼(パテラ)は、膝のお皿の骨(膝蓋骨)が正常な位置から外れてしまう症状です。小型犬に特に多く、トイプードル、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャーテリアなどでよく見られます。
症状の特徴は、突然びっこをひいたり、スキップのような動作をしたり、後ろ足を跳ねるように上げて数歩だけ歩いたりする動作です。脱臼が自然に戻ると再び普通に歩けるため、飼い主が「一時的なことかな」と見過ごしてしまうケースも少なくありません。進行すると常に後ろ足を上げて歩くようになり、歩行に大きな支障をきたします。
パテラの重症度はグレードで分類されます。軽度では膝蓋骨が外れても自然に戻りますが、中度以上になると手で戻さないと正しい位置に戻らず、重度では常に外れたままになります。放置すれば関節炎を引き起こし、将来的に歩けなくなるリスクが高まります。
治療法としては、軽度の場合は体重管理や運動制限、滑りにくい床環境の整備、筋力強化のためのリハビリが有効です。中度以上では外科手術が必要になることもあります。
青梅市にもパテラの診断や治療を行う動物病院があり、症状の程度に応じて最適な対応を提案してくれます。後ろ足のびっこや引きずりを見かけたときは「よくあること」と軽視せず、早めの受診が大切です。
変形性関節症(関節炎)が老犬に多い理由
変形性関節症は、関節の軟骨がすり減って炎症や痛みが起こる病気です。老犬では長年の負担や筋力低下によって発症しやすく、散歩を嫌がる、歩幅が小さくなる、びっこをひくといった症状が出ます。
治療は体重管理や関節サプリの利用、適度な運動で進行を遅らせることが可能です。症状が強い場合は薬や理学療法が必要になることもあります。早めに気づいて対応することが、老犬の歩行を守るポイントです。
神経系の異常が原因で歩けない場合とは?
脊髄や末梢神経に異常が起こると、後ろ足に力が入らず歩けなくなることがあります。ふらつきや後ろ足の引きずり、ナックリング、反応の遅れが見られるのが特徴です。
原因はヘルニアや神経疾患など多岐にわたり、進行すると立てなくなることもあります。神経系の異常は早期診断が重要で、できるだけ早く動物病院で検査を受ける必要があります。
ケガや骨折による一時的なびっこ・後ろ足不調
転倒や激しい運動での打撲や骨折は、犬が急にびっこをひく原因になります。後ろ足を浮かせて歩く、触れると強く痛がるなどが典型的なサインです。
軽いケガでも悪化することがあるため、安易に様子を見るのは危険です。異常を感じたら早めに動物病院で診察を受けることが重要です。
肥満が足腰にかける負担と歩行障害の関係
肥満は犬の足腰に大きな負担をかけ、関節や靭帯を痛める原因になります。体重が増えることで後ろ足への圧力が強まり、びっこや歩行の不安定さが出やすくなります。
適正体重を維持することは、歩行障害の予防につながります。食事管理と無理のない運動が重要です。
老犬特有の認知症や神経疾患による歩行トラブル
老犬になると脳や神経の働きが衰え、歩行に異常が出ることがあります。代表的なのが認知症によるトラブルで、方向感覚を失い壁にぶつかったり、同じ場所をぐるぐる歩き続けたりします。その中で後ろ足の動きがぎこちなくなり、ふらつきや引きずりが見られることがあります。
また、脊髄や神経に関わる病気も歩行に大きく影響します。神経が正常に信号を伝えられなくなると、足に力が入らず、立ち上がれない状態になることもあります。
飼い主が「年のせい」と思って見過ごすと、症状は進行して生活の質が大きく下がります。歩き方の変化や行動の異常に気づいたら、早めに動物病院で相談することが重要です。
手術後・病気治療後に理学療法・リハビリが必要なケース
ヘルニアや膝蓋骨脱臼(パテラ)の手術後、また大きな病気の治療後には、筋力が落ちて歩けなくなることがあります。そのまま安静にしすぎると筋肉がさらに衰え、関節も硬くなり、回復が遅れてしまいます。
リハビリを行うことで筋肉と関節を動かし、再び自分の足で歩ける力を取り戻すことができます。水中トレッドミルやストレッチ等の理学療法、バランスディスクトレーニングなどが効果的です。
青梅市でも理学療法に対応する動物病院やリハビリ施設があります。術後のケアを怠らず、専門家のサポートを受けながら継続することが大切です。
その他(爪・肉球のケガ、外傷、筋肉の炎症など)見落としがちな原因
けない、びっこをひくといった症状は大きな病気だけでなく、意外と小さなケガが原因のこともあります。例えば爪の伸びすぎやひび割れ、肉球の切り傷ややけど、トゲの刺さりなどです。こうしたトラブルでも犬は強い痛みを感じ、後ろ足を引きずったり歩行を避けたりします。
また、激しい運動で筋肉を痛めた場合も一時的にびっこになることがあります。外から見て異常が分かりにくいことも多いため、飼い主が気づかずに放置してしまうケースが少なくありません。
散歩後に足をチェックし、異常があれば早めに動物病院で診てもらうことが、症状の悪化を防ぐポイントです。
解決方法
自宅でできる歩行サポート方法
犬の歩行を助けるためには、専門的な治療だけでなく、飼い主が自宅でできる日常的なサポートも大切です。理学療法の観点からは、次のような工夫が効果的です。
まず、生活環境の見直しが基本です。滑りやすいフローリングにはマットやカーペットを敷き、足腰に余計な負担がかからないようにします。段差や階段の上り下りは関節を痛めやすいため、スロープを設置するのも有効です。ペット専用の床材、ワックスなども効果的です。
次に、軽い運動やストレッチです。無理のない範囲での散歩や、飼い主が足を優しく曲げ伸ばしする関節運動は、筋肉と関節の柔軟性を保つのに役立ちます。また、水中での歩行(プールや専用施設)も関節への負担が少なくおすすめです。
さらに、歩行補助具の活用も効果的です。ハーネスや歩行補助ベルトを使えば、犬の体を支えながら安全に歩かせることができます。老犬や後ろ足が弱っている犬には特に有効です。
このように、自宅でできるサポートを取り入れることで、犬の歩行機能を保ち、生活の質を高めることができます。
早めに受診すべきサインと緊急度チェック
犬の歩行異常は「年のせい」と思われがちですが、放置すると症状が悪化して回復が難しくなることがあります。次のようなサインが見られたら、早めに動物病院を受診することが大切です。
- 軽度でも要注意のサイン
・散歩中にびっこをひく
・後ろ足を時々引きずる
・立ち上がるのに時間がかかる
・階段や段差を嫌がる - できるだけ早く受診すべきサイン
・後ろ足に力が入らずよろける
・歩幅が極端に小さくなる
・腰や足を触ると強く嫌がる - 緊急受診が必要なサイン
・急に立てなくなった
・排尿や排便ができない
・痛みで鳴き続けている
・両後肢が同時に麻痺している
これらはヘルニアや神経疾患など、早期対応が命に関わる病気の可能性があります。特に「急に歩けなくなった」「排尿ができない」は緊急度が高く、すぐに動物病院で診察を受けるべき症状です。
青梅市のペットクリニック事情
1. 夜間・救急対応は手薄
青梅市内には複数の動物病院がありますが、夜間や休日に診てもらえる施設は限られています。いざというときに駆け込める病院が少ないため、事前に「緊急時にどこに連絡するか」を決めておくことが飼い主に求められます。特に椎間板ヘルニアや神経障害、交通事故など、数時間の対応遅れが命やその後に関わるケースでは、広域での救急ネットワークを利用する必要が出てきます。
2. 利便性とアクセスの良さを重視した施設が増加
ホームセンター併設や駅から徒歩圏といった「日常生活に組み込みやすい立地」にあるクリニックが目立ちます。買い物や仕事帰りに立ち寄れる便利さは、通院が長期化しやすい持病や老犬のケアにおいて大きなメリットとなります。
3. 地域密着型の小規模クリニックの存在感
大規模な病院だけでなく、地域に根差した小規模クリニックも多く、飼い主とじっくり向き合う診療スタイルを持つところもあります。往診や予約制、ペットホテルとの併設など、地域事情に合わせた柔軟なサービスを提供している点が特徴です。
4. 設備充実型の病院は限られる
高度な外科手術やICU管理ができる病院は限られており、地域外まで足を伸ばす必要があるケースも少なくありません。「日常の健康管理は近場」「重症時は設備の整った広域病院」といった使い分けが現実的な選択肢になっています。
青梅市の地域一覧
天ヶ瀬町、今井、今寺、裏宿町、大柳町、小曾木、勝沼、河辺町、上町、木野下、黒沢、駒木町、沢井、塩船、新町、末広町、住江町、滝ノ上町、大門、千ヶ瀬町、富岡、友田町、仲町、長淵、成木、西分町、根ヶ布、野上町、畑中、梅郷、東青梅、日向和田、吹上、藤橋、二俣尾、本町、御岳山、御岳本町、御岳、森下町、師岡町、谷野、柚木町、和田町